何箇所かの土砂崩れなどを遭遇しながら小田原のホテルにチェックインした。
伊豆山のマンション住人や周辺の情報から、停電、断水が最低一ヶ月かかると踏んだ我々は緊急会議を開いた。
ここじゃあ高いから他に移つろうよ!
急な宿泊だったので会員になっているヒルトンに陣を張ったが、ノーマルの値段(ものすごく高い)だったのでポイントで払ったが数日が限界だ。
金沢がいいなー
横浜の?
石川県の金沢
なんで?
題名は忘れたが、ミドル世代の夫婦が長年お金に苦労をしていたが、ある日奥さんには多額の遺産があることが分かり、その後ギクシャクした夫婦生活が続く中、奥さんは旦那さんに
このお金で遊んできて!
と言って現金一億円を渡す。
色々あったがお金を受け取った旦那さんは、会社を辞めて昼酒を飲んだり高級な食事を試みるがイマイチだった。
ある日九州の息子に会いに行った帰りの電車で、若い頃淡い恋心を抱いていた女性と再会する。
女性は金沢で小料理屋を営んでいて、是非遊びに来て欲しいと言って連絡先を渡す。
旦那さんは一億を持って冬の金沢に突進したが、二度目の恋もすぐに敗れた。代わりに小さな商売を始めて成功し、奥さんも金沢に行ったり来たりするようになりハッピーエンドのお話。
冬の金沢の描写が数年経った今でも心に残っていた。
以上のことを私は小さな目を細めて遠くを見ながら情緒たっぷりに説明をした。
奥さんは小鼻を膨らましながら、
もうすぐ夏だよ!
翌日我々は愛車ジムニーで金沢に向かった。
主計町茶屋街
ガラスに写つしだされた夏の空と雲。